『ボーはおそれている』のウラ話 ー演技を追求しすぎたホアキン・フェニックスにアノ共演者がアドバイス

@beauisafraid / Instagram おともコラム
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ホアキン・フェニックスは、アリ・アスター監督の2023年の映画『ボーはおそれている』であまりにも追求しすぎた演技をしたため、共演者のネイサン・レインがアドバイスをする場面があったそう。

24/2/16公開『ボーはおそれている』特報映像

現代最高の俳優の一人と広く認識されるホアキン・フェニックスは、ダークで謎めいた、型破りなキャラクターを演じることで知られている。彼はこれまでに『グラディエーター』、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』、そしてポール・トーマス・アンダーソン監督の『ザ・マスター』でアカデミー賞にノミネートされ、2019年には『ジョーカー』でついにオスカーを受賞した。

『ボーはおそれている』は、アリ・アスター監督による2023年の映画で、ホアキン・フェニックスが内向的で不安に満ちた主人公ボーを演じる。ボーは母親の葬儀に向かう途中で、さまざまな恐怖と向き合う旅に出る。この映画では、ネイサン・レインが郊外に住む外科医の役を演じ、彼と妻はボーをフードトラックで轢いてしまった後、自宅に招き入れる。

ネイサン・レインは最近、マイク・バービグリアのポッドキャスト『Working It Out』に出演し、フェニックスとの共演について語った。レインは特に、本作のトーンを掴むことが難しかったと述べ、フェニックスの即興演技のスタイルがそれをさらに複雑にしたと明かした。アスター監督も撮影スタイルをフェニックスの即興に合わせて設計したという。

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「ある時、アスターが僕にこう言ったんだ。『彼は脚本通りにセリフを言わないから、君の目的は彼を家の中に留めておくこと。ただ、彼を家に残すためなら何を言ってもいい』と。そして『もし僕の書いたセリフを少しでも入れられたら、それは素晴らしいね』って言われたんだ。」

しかし、あるシーンで3時間にわたる即興演技を続けた結果、レイン、アスター、フェニックスの3人は「これはうまくいっていない」と判断。フェニックスはキャラクターの「真実」に徹して演じていたが、レインはそこで助言を与えることにした。

「僕はフェニックスにこう言ったんだ。『ホアキン、僕たちはまだ知り合って間もないけど、これはコメディとして演じたほうがいいと思うんだ。映画の冒頭45分間はカフカ的な恐怖が続いていた。でも今は、郊外の安全な場所にいるように見える。でも、どこかおかしいっていう雰囲気があるんだ。アスターが書いた脚本は、実はすごく面白いんだよ。』
それで僕は彼にちょっとした演技のアイデアを出した。『ぬいぐるみを膝に乗せて、変な音を出すときにそれを持ち上げてじっと見つめる』とかね。すると彼は笑い出して、『そんなことできないよ』って言った。僕は『なんで?オスカー受賞者なんだから、やろうと思えばできるはずだよ』って言ったんだ。」

フェニックスはこのアドバイスに笑いながら応じ、最終的にはリラックスして演技に取り組むことができた。そして、シーンの雰囲気が一気に和やかになり、即興演技もスムーズに進んだという。

「その後、フェニックスは僕にこう言ったんだ。『君の目を見たら笑っちゃうよ』ってね。でも、彼は本当に素晴らしい俳優で、情熱的で真摯に役に向き合う人だった。アスターも言っていたけど、フェニックスは常に“真実”であろうとする。彼がリアルだと感じない限り、演じることはできないんだ。」

トキエス
トキエス

これは、ホアキン・フェニックスが役柄に真剣に取り組む姿勢と、共演者とのコラボレーションが作品に与える影響をよく表したエピソードとなっています。

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