M・ナイト・シャマラン監督『オールド』:ジャック・ニコルソンとマーロン・ブランドが出演している映画について言及された意味は?【ネタバレあり】

おともコラム

M・ナイト・シャマラン監督の映画『オールド』。これまで『シックス・センス』など、どんでん返しのストーリーを生み出してきたことでも知られるシャマラン監督作品とあって、登場人物のセリフひとつひとつに深い意味があるのでは?と考えながら鑑賞した人も多いと思います。

 

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登場人物の台詞の中で私が一番気になったのは、ルーファス・シーウェル演じるチャールズが混乱し始めた時に言及した一本の映画。今回は、それについて調べたので、ここで残します。

あらすじ

人里離れた美しいビーチに、バカンスを過ごすためやってきた複数の家族。それぞれが楽しいひと時を過ごしていたが、そのうちのひとりの母親が、姿が見えなくなった息子を探しはじめた。ビーチにいるほかの家族にも、息子の行方を尋ねる母親。そんな彼女の前に、「僕はここにいるよ」と息子が姿を現す。しかし、6歳の少年だった息子は、少し目を離したすきに青年へと急成長していた。やがて彼らは、それぞれが急速に年老いていくことに気づく。ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまうなど脱出することができず……。(映画.comより引用)

 

※ここからネタバレが含まれます。

 

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ルーファス・スーウェル演じるチャールズはどんなキャラ?

チャールズは、お医者さんということもあり、ビーチでの異変があった際も、周りからすごく頼りにされます。しかし、みんなで、なぜこのビーチに参加したか打ち明けようという会話の中で、彼の妻がこのリゾートに辿り着くまでの経緯を話そうとすると、すぐに彼女を黙らせるのです。

結局のところ、チャールズは統合失調症などの精神疾患を患っており、病院の医局長という立場から退かざるを得なかったことも明らかに。



彼の病気が加速しているなと感じたシーンは、プリスカ(ヴィッキー・クリープス)の腫瘍が数分でゴルフボールサイズになり、摘出しなくてはならなくなるシーン。

切羽詰まったこのシーンで、チャールズは急にジャック・ニコルソンとマーロン・ブランドが主演した映画の名前を教えてくれないかと周囲に頼み始めるのです。彼は、腫瘍の摘出の際に彼女の腹部にナイフが突き刺さっている間も、この質問をし続けます。

トキエス
トキエス

このように、チャールズは映画中、定期的にこの質問をし続けるのです。個人的には「これ、なんか意味があるのでは?」とちょっと鳥肌が立ったシーンです。

ジャック・ニコルソンとマーロン・ブランドが出演した映画は?

チャールズが質問し続けた「ジャック・ニコルソンとマーロン・ブランドが出演した映画」は、1976年の西部劇『ミズーリ・ブレイク』。2人が共演したのはこの一本だけのようです。

『ミズーリ・ブレイク』のあらすじ

西部開拓時代の末期。ミズーリ州の牧場主デイヴィッド・ブラクストンと牧童頭のピート・マーカーは、敷地に侵入してきた馬泥棒を捕らえて吊るし首にした。それに対し、馬泥棒一味のリーダーであるトム・ローガンは、仲間たちを率いてマーカーを血祭りにあげ、報復を開始。ローガンたちの動きを警戒したブラクストンは、“ワイオミングの整理屋”とあだ名される殺し屋リー・クレイトンを雇い、一味の襲撃に備えるのだった。ローガンの仲間たちを1人、また1人と始末していくクレイトン。そんななか、ブラクストンの愛娘ジェーンが、あろうことかローガンに恋をしてしまい…。(https://www.maxam.jp/より引用)

チャールズが『ミズーリ・ブレイク』ついて何度も尋ねることは、彼の精神状態の悪化の一例であることは確か。ビーチにいるせいで、彼の精神疾患はすごいスピードで悪化。本編で、チャールズが1人になって独り言を言っている姿も何度か映し出されているのですが、チャールズが暴力的になって手に追えなくなるまで、周りのキャラクターが彼を比較的に放置してしまっているのです。

トキエス
トキエス

「チャールズが変わってしまった」とわかったのは、彼は死んだ母親に語りかけるシーンなのかなと私は思います。彼は、仕事に追われて疲れたことを話し、精神が崩壊したことを示唆させるシーンなのかと・・。

最終的に、チャールズは、一緒にビーチにいたブレンダンを自分の家に強盗に入った人物と間違えて殺し、その後、プリスカとガイ(ガエル・ガルシア・ベルナル)が自分から仕事を奪おうとすると信じて襲いかかるのです。

 

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なぜ『ミズーリ・ブレイク』について言及した?

『オールド』と『ミズーリ・ブレイク』の関連性について、めちゃくちゃ調べましたが映画同士の関連性は見つけられず・・。しかし、シャマラン監督がFOX 5 Washington DCのインタビューでこの映画について言及していたのを発見しました!

僕はみたことがないけど、認知症の父が、ジャック・ニコルソンとマーロン・ブランドが出演していた映画の話をやめないんだよ。『父さん、見たことないんだ』というと、彼は『ジャック・ニコルソン!マーロン・ブランド!』と言い続けるんだよ」。

(4:37くらいからのコメントです↓)

M. NIGHT SHYAMALAN talks OLD, shooting 35mm film, UNBREAKABLE, Jack Nicholson, Marlon Brando & more

チャールズの台詞は、監督の父が言ったことをそのまま引用しているようです。シャマラン監督は続けて「僕にとってこの映画は、誰かが正気を保つためにしがみついているものを象徴している。誰もが知っているはずの、史上最高の俳優2人のことを、なぜ誰も知らないのか?・・・彼らはそれを理解することはできないけれど、それにしがみついている。この映画は、父と映画についての、面白くて、悲しくて、美しい物語なんだ」とコメントしています。

トキエス
トキエス

このように監督の実生活とつながりのあるとわかるのも興味深いですね! ちなみに本作では、監督の娘さんがセカンドユニットディレクターとして、参加していたようです。

 

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