映画『NOCEBO/ノセボ』乳母ダイアナの目的とは?【※ネタバレ/解説】

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日本では昨年12月より公開されているホラー映画『NOCEBO/ノセボ』。この映画は、エヴァ・グリーンマーク・ストロングが夫婦のクリスティーンとフェリックスを演じ、ダイアナ(チャイ・フォナシエル)という謎めいたフィリピン人の乳母が、クリスティンを悩ませている謎の病気を独自の治療法で治していくというストーリーです。

12月29日(金)公開 『NOCEBO/ノセボ』|本予告

しかし、映画が進むにつれ、ダイアナの訪問には別の目的があることがすぐに判明。それはクリスティーンのファッションデザイナーとしてのキャリアに関連する事件でした。

※ここから先は大きなネタバレがありますのでご注意ください。



映画の序盤で、クリスティーンがダニに噛まれた後、病に倒れます。ファッションデザイナーとしてのキャリアを何とかしようと奮闘する一方、娘ボブスの世話もおろそかになっていきます。

そんなある日、フィリピン人の乳母ダイアナが、さまざまな不思議な治療法を携えて突然玄関先に現れます。クリスティーンは彼女を雇った覚えはありませんが、「物忘れが激しい」と、現在抱えている病気の症状のひとつに過ぎないと考えるのです。

ダイアナは住み込みでクリスティーンの世話をします。彼女の治療法はクリスティーンに良い影響を与えているようですが、その一方でフェリックスは彼女に感心せず、夫婦間に大きな緊張が走ります。

やがてダイアナは自分の治癒力の秘密を説明。

彼女は、若い頃、重病の老婦人に遭遇し、死ぬ直前に老婦人の口から出てきた黒い雛が、ダイアナの口に移り入ったといいます。

この老婦人はオンゴ(フィリピンの民話に登場する生き物)であり、ダイアナに雛を渡すことで、超自然的な治療力を彼女に移したのだと言います。それ以来、ダイアナはあらゆる病気や不調を癒す能力に恵まれるようになったそう。

一方、フェリックスはダイアナの真意をますます疑うようになり、彼女を家から追い出します。しかし、ダイアナは彼らの娘ボブスの支持を得て「友達」になっていました。

その後、ダイアナは自身の力を使ってフェリックスを階段から転落させる事故を起こします。彼は病院に運ばれ、留守の間にダイアナは家に戻り、クリスティーンを拷問し、ついには生きたまま焼き殺してしまいます。

ダイアナの本当の動機が完全に明らかになるのはそのときでした。

映画の序盤で何度もフラッシュバックで示唆されていたように、ダイアナは以前、クリスティーンが働いていた会社が使用する搾取工場で工場労働者として働いていました。工場の劣悪な環境、そしてクリスティーンの「ドアは常に施錠するように」という指示が原因で、ある日、ダイアナが買い物に出かけた際に火災が発生し、ダイアナの娘も含めて工場内の全員が死亡したのです。

クリスティーンを焼き殺し、復讐を果たしたダイアナは、ボブスの前で飛び降り自殺。ダイアナの口から黒い雛が出てきて、ボブスに入り込むのでした。

ちなみに主演のエヴァ・グリーンは、ScreenRantのインタビューで「ただのホラー映画だったら、興味を持たなかったと思う。二人の女性の関係も好きだし、罪悪感や貪欲さといった深遠な問題も扱っていて、いいミックスだった」とコメント。

トキエス
トキエス

確かに「ただのホラー」というわけではない不穏な雰囲気がたまらない一本でした。

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