ハリウッド俳優を代表する労働組合である「SAG-AFTRA(全米映画俳優組合)」は、映画・テレビ会社に対するライターズ・ストライキに正式に参加。約63年ぶりの大規模なストライキにより、エンターテイメント業界に多大な影響を与えています。
現地時間7月13日木曜日の深夜に始まったストライキは、翌日朝からピケ行動が開始となりました。
Picketers line up at Netflix in Hollywood. #SAGStrike pic.twitter.com/TgFqEadHI5
— Variety (@Variety) July 14, 2023
このストライキが始まると、SAGの数万人の映画・テレビ俳優は、労働組合の契約でカバーされるすべての仕事を停止しなければなりません。
日本でもトム・クルーズ最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のプロモーションツアーが決定していましが、このストライキによりツアーは中止に。
来日を予定していたサイモン・ペッグもSNSで日本のファンに「申し訳ない」とコメントしていました。
it’s really over lol imma kms pic.twitter.com/jDvCS8dLov
— 🐤 (@hsufhkshndk11) July 13, 2023
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』来日キャンペーンについて重要なお知らせ pic.twitter.com/ofgzuiPuGa
— 『ミッション:インポッシブル』公式 (@MImovie_jp) July 14, 2023
ガイドラインによれば、SAG-AFTRAのメンバーは、ストライキが有効な間はプレミア上映に出席したり、完成した作品のインタビューに応じたり、授賞式や映画祭に参加したり、ソーシャルメディアでプロジェクトを宣伝することはできないそうです。また、SAG-AFTRAの契約の下で制作された過去作品、そして現在制作中の作品を宣伝するために、コミコンなどのコンベンションにも参加することも許されていません。
日本では今年、東京コミコンが2023年12月8日(金)~12月10日(日)までの3日間、幕張メッセにて開催予定ですが、果たして俳優来日はどうなるのでしょうか・・
SAG-AFTRAの会長であるフラン・ドレシャーは、木曜日に行われた記者会見で「非常に欲深い企業に犠牲にされています」と述べました。「いつかは、『いや、もうこれ以上は受け入れない』と言わなければならない時が来るのです」と続けています。
SAG-AFTRAは、より高い賃金、増えるロイヤルティ支払い、人工知能の使用に関する保護を求めて戦っています。ライターズ・ギルド・オブ・アメリカは既にピケットラインに立っており、俳優と脚本家が同時にストライキを行うのはハリウッドの歴史でも2回目です。
ちなみに5月2日からWGA(全米脚本家組合)もストライキを決行し、2つのストライキが重なったカタチになっているよう。
ストライキ中、メンバーができないことリスト
Varietyは、ストライキ中にメンバーが行ってはならないことをリスト化していたので、ここにまとめます。
Negotiating and/or entering into and/or consenting to:
○ An agreement to perform covered services in the future
○ Any new agreement related to merchandising connected to a covered project
○ The creation and use of digital replicas, including through the reuse of prior work…— Variety (@Variety) July 13, 2023
●カメラ前の仕事:
○演技
○歌唱
○ダンス
○スタントパフォーマンス
○カメラ前の航空機操縦
○パペット操作
○パフォーマンスキャプチャーまたはモーションキャプチャーの仕事
●カメラ外の仕事:
○ADR/ループ
○TVトレーラー(プロモーション)および映画トレーラー
○声優
○歌唱
○ナレーション(他の労使協定によってカバーされる可能性があるサービスを除く)
○スタントコーディネーションおよび関連するサービス
●バックグラウンドの仕事
●スタンドインの仕事
●写真や身体の代役
●衣装の試着、メイクのテスト
●リハーサルとカメラテスト
●スキャニング
●インタビューやオーディション(セルフテープを含む)
●テレビ/映画契約の下の仕事の宣伝/広報サービス:
○ツアー
○個人の出演
○インタビュー
○コンベンション
○ファンエキスポ
○フェスティバル
○検討中イベント
○パネル
○プレミア/上映会
○授賞式
○プレスツアー
○ポッドキャスト出演
○ソーシャルメディア
○スタジオのショーケース
●交渉すること、および/または締結すること、および/または同意すること:
○対象となるサービスを将来的に実施する契約
○対象プロジェクトに関連する商品化に関する新たな契約
○デジタルレプリカの作成および使用(先行作品の再利用を含む)
●ストラックプロダクションの予告編、またはストラックプロダクションに付随するその他のコンテンツに出演すること。
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