映画を観る際に、登場人物が実際に聞いている音と観客が聞いている音が一致している・・・なんてことに気づいたことはありませんか? それは「ディエジェティックサウンド」と呼ばれる技法のおかげ。今回は、このディエジェティックサウンドについて、その効果と魅力を解説します。
ディエジェティックサウンドとは?
ディエジェティックサウンド(Diegetic Sound)とは、映画の中のキャラクターが実際に聞いている音のことを指します。例えば、キャラクターがラジオを聴いているシーンでは、そのラジオの音がディエジェティックサウンドにあたります。観客が聞く音とキャラクターが聞く音が一致しているため、映画の世界に対する没入感が高まります。
ディエジェティックサウンドの魅力
ディエジェティックサウンドの最大の魅力は、そのリアリティです。観客はキャラクターと同じ音を聞くことで、映画の世界に一層引き込まれます。この技法を使用することで、物語の臨場感が高まり、観客はキャラクターの感情や状況をより深く理解することができます。
また、ディエジェティックサウンドは物語の進行やテーマを強調するためにも効果的です。例えば、戦場のシーンでの銃声や爆発音は、キャラクターの緊張感や恐怖を観客に直接伝えます。同様に、ラブシーンでの静かな音楽や自然音は、キャラクターの感情を豊かに表現します。
ディエジェティックサウンドの有名な例
映画史に残るディエジェティックサウンドの名場面としては、『スター・ウォーズ』シリーズが挙げられます。この映画では、ライトセーバーの音や宇宙船の音など、キャラクターが実際に聞いている音が観客にも伝わるため、物語のリアリティが一層高まります。
また、『アメリカン・グラフィティ』では、ラジオから流れる音楽がディエジェティックサウンドとして使用されており、登場人物たちの青春時代を象徴しています。この音楽は、物語の進行に重要な役割を果たし、観客をその時代に引き込みます。
ディエジェティックサウンドは、映画のリアリティと没入感を高めるための強力な技法。次回映画を見る際には、ディディエジェティックサウンドに注目してみてくださいね。
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